当日はほとんど出来ることはない

朝、起きてすること

翌日、起床時間は6時と仕事へ行く時間とさほど変わらなかったのでその前には自然と目が覚めた。そもそも気付けば意識を失い、軽く8時間以上寝ていたので、普段よりも健康な生活ができている! などと楽観的に考えたものです。朝になり、軽く身だしなみを整えてから朝食を取ります。朝食と言っても食べるのではなく『飲む』で代用しているだけですが、これも立派に病院側からの指示だ。

前日の特定された時間以後、筆者は『経口補水療法』を行っていたのです。これは病院側、具体的にいうと麻酔科の先生から許可された患者が行う手術前の両方で、手術中に行う全身麻酔をするに当たってそれまでの完全絶食では患者に心身共に多大なストレスを与えるとして問題視されていたというのだ。手渡されたプリントには、絶食をする理由として胃の内容物が手術中に逆流して誤って肺などに入ってしまう『誤嚥性肺炎』を引き起こしてしまいかねないと予想しての措置だったのです。

そのため本来であれば夜から絶食、手術前に点滴を打ってが元来の方法でしたが、それを可能としたのが成分された飲料水として開発された『OS-1』というもの。特定医療品としても指定されてドラッグストアでも販売していますが、これならば手術前でも摂取していいことが近年判明したのだ。点滴も行動の自由に制限を付けてしまうため思うように身動きが取れなかったが、経口補水療法が開発されてからはそうした煩わしさから患者が解放されたのです。これならば手術中に逆流もせず、さらに点滴ど同等の効果が期待でき、おまけに患者に余分なストレスを与えずにすむとして、病院としても患者としても大助かりなのだという。

1つ注意事項として、このOS-1を医師の指示なく身体に良いから摂取すれば良いと考えている人が多いと聞きます。この飲料水を計画なく多量に摂取していると健康どころか、脱水症状を引き起こして最悪命の危険に瀕する可能性がある。ただ身体に良いからという触れ込みで利用することだけは控えよう。

迎える手術の時間

経口補水療法を前日の夜から当日7時まで行い、これで手術に向けて万全の身体が形成されます。それはと関係なくこの時にお腹が時折泣いていたのは余談だ。この時に手術をするに当たって病院指定の患者服にも着替えて、呼ばれるのを部屋で待ちます。また手術をうける際には患者家族が院内で待機するのが基本なので、その日も父がやって来てくれた。別に暇しているわけではないのだが、時間を見繕ってくれてのこと。手術の時間は午前9時からとなり、その日はまだ自分の足で歩いて手術室の前まで筆者と父、そして看護師の三人で向かいます。

目の前までやってくるとまだ早い時間だというのに物々しい雰囲気が手術室から立ち込めていた。ここに今から自分も入るのかと、やっと実感が湧いてきたのは妙に意気込んだのを覚えている。そして名前を呼ばれて入っていき、入室すると目の前に広がる光景はドラマで見る手術室そのものだった。

様々な手術道具が取り揃えられ、手術台とこれから行う作業の場が清潔であると感じさせる、無機質でありながら潔癖感漂う空間は異質というよりは異常、という感じに見えた。この時から緊張などしておらず、手術が間近に迫った中で最終確認と案内されたベッドに乗って準備をします。点滴による全身麻酔を行い、その後意識がいつ途絶えたかは全く覚えていない。現実に戻ってきた際には全てが終わっていたので、意外と早かったなとしか感じなかった。

まどろむ意識の中で

術後、前日に説明されていた通り個室に案内されていた。誰もいない、1Rほどの広さ程度の部屋のベッドに寝かされていると実感したのは時間的に午後14時を回っていた。辛うじて覚えているのは、安心しきった顔をした父が何か呟いているのと、後にやってきた主治医の先生が笑いながら筆者の椎間板を透明な容器に入れて見せていることだけ。後者については意識がはっきりしない中でも覚えている、どうしてあんなに陽気な声で言えるのだろうと思ったが、この時も全身麻酔の効果がまだ残っていたのであまり話せなかった。

察した父も状態などの説明を受けて帰宅し、その後1人部屋に取り残されます。とはいえ、その後またそっと微睡みに任せるよう意識を失い、気付けば夜になっていた。その頃には意識もはっきりしてきて、あぁっ手術したんだなぁと感慨深い物を実感します。同時に、今自分の体がまともに動けないこと、これから数日間はこの個室(無料)で過ごすのかと考えたら、何故か妙にテンションが上った。もちろん『ヒャッハー!!』などと奇声を挙げたりはしない、流石にそれは変な人すぎる。

静かなのって良いなぁと感じつつも、その日は終了した。と言った感じで、腰の手術をしたばかりの当日は本当に何も出来ない、これが普通なんです。

知っておきたい、入院から退院までの流れ